最初は『自分で書く』ではなく『なぞる』べき理由
筆順を無視して自由に書き始めた子どもは、6〜7歳になる頃には手の癖がすっかり固まっていて、直すのがずっと大変になります。3を下の丸から書く癖がついた子が、やめなさいと何度言われてもそのまま書き続けるように、手の記憶は口で言う修正よりも長く残ります。筆順と方向がそのまま字形を決める文字ほど、この問題は深刻です。ハングルの子音母音の組み合わせ、漢字、アラビア文字がその代表です。
なぞり書きは書き写しではありません。手が文字の軌跡を覚えていく、時間のかかる作業です。薄い文字の上を十分になぞってから空欄に進むべきで、この段階を飛ばしていきなり空欄に書かせると、1週間もたたずに筆順が崩れることがよくあります。そもそも手を導く基準がなかったからです。
新しい文字の基本形を2〜3週間なぞるのは遅れではありません。その後のすべての練習が乗る土台です。
どの言語から始めるかを決める基準
家で祖母がスペイン語を話すような継承語の場合、子どもはすでに聞くことと話すことにあまり困っていないことが多いです。このとき必要なのは話す力と書く力の差を埋めることで、両方をゼロから積み上げることではありません。
学校のために新しく触れる外国語なら、ペースがずっと重要になります。5歳の子がまだ話す力も固まっていないドイツ語で書く練習まで並行するなら、継承語を学ぶ子どもより1週間に覚える新しい文字の数をかなり少なくすべきです。
2つの文字体系を同時期に始めないでください。アラビア語と中国語を同じ月に始めた子は、どの規則がどの言語のものか混乱し始めます。右から左に書く癖が、左から右に書く言語に紛れ込んでしまうようなことが起こります。1つの文字が安定してから次を加えましょう。
1日どのくらい練習すれば十分か
4〜7歳なら1日10〜15分で十分です。その中で新しい文字3〜5個で足ります。20分を超えると、レッスンが終わる前に手が先に疲れてしまい、最後に書いた文字のほうが最初より汚くなることも多く、これは学びではなく単なる疲労です。
毎日短くが、週に1〜2回長くより効果的です。画数の多い文字ほどこれが当てはまります。日曜の午後に新しい漢字を5つ詰め込んでも、火曜にはほとんど消えています。同じ5つを5日に分けて短く繰り返すほうが、たいてい残ります。
実用的な目安が一つあります。手が痛い、握るのがつらいと子どもが言い出したら、残りの文字数に関係なくその日の練習は終わりにしてください。疲れた手で無理に続けても、実力ではなく悪い姿勢が残るだけです。
親がよくする間違い:文章に進むのが早すぎる
一文字を数回なぞっただけですぐ単語書きに進む。これが親が最もよくやる近道で、たいてい裏目に出ます。文字の形がきちんと固まらないまま先に進むため、数か月後に似た形の文字を混同する問題として再び現れます。ㅁとㅂを取り違えたり、英語のbとdを逆に書いたりする形です。
非ラテン文字ではその代償がさらに大きくなります。一画違うだけで漢字はまったく別の、しかしちゃんと存在する字になってしまいますし、アラビア文字はつながりの形が変わるだけで読めなくなることもあります。新しい文字は数日間は単独で繰り返し、そのあとで既に習った文字と混ぜて短い単語を作らせましょう。
親が意外と見落とす文字ごとの落とし穴
アラビア語やヘブライ語は右から左に書きます。ワークシート自体が右から始まる必要があり、左から始まる練習帳に慣れた子どもは、最初の数回は必ず逆側から始めようとします。何度か指摘してあげる必要があります。
中国語と日本語の漢字は筆順が厳格です。上から下、左から右、外側から内側へ。順番を間違えると単に汚く見えるだけでなく、実際に読みにくい字になります。ネイティブは最終的な形だけでなく、画のリズムでも文字を認識しているからです。ひらがなも「あ」の丸めの形一つで印象が変わるように、順序そのものが字形の一部です。
ヒンディー語をはじめとするデーヴァナーガリー文字には、英語圏の親が見落としがちな落とし穴があります。子音が2つ3つとつながって1つの視覚的なまとまりになる結合子音です。一文字ずつがしっかり定着してから初めて結合子音が意味を持つので、習い始めの週から詰め込まないでください。
どの文字が難しいという話ではありません。それぞれ崩れる場所が違うということで、練習素材もそこに合わせる必要があるということです。
なじみのない文字でもやる気を保つ方法
ひらがなやアラビア文字での上達は、ハングルやローマ字より目に見えるまでずっと時間がかかります。子どもがまだ周りでその文字を読めないからです。英語を学ぶ子が6週間でシリアルの箱の文字をたどたどしくでも読めるようになる頃、同じ期間ひらがなを学ぶ子はまだそこまで届きません。
解決策は、今すぐ意味のあるものを書かせることです。自分の名前、弟や妹の名前、一番好きな食べ物の名前。「もう自分の名前が読めるね」というひと言は、どんなワークシートよりも響きます。
ワークシートジョイは10言語の文字書きワークシートを難易度別に提供しているので、子どもが今実際にいる段階に合わせて教材を選べます。長続きする褒め方は「よくできたね」ではなく、何が良くなったかを具体的に伝えることです。「昨日よりあの画がまっすぐになったね」というように。具体的な褒め言葉だからこそ、次に子どもが実際に活かせます。