このプリントが実際に育てるのは『IQ』ではありません
パターン完成やマトリックス推論の問題は、図形や数字がどんな規則で変化しているかを見つけ、その規則を次のマスに当てはめる練習です。これは生まれ持った知能を測るテストではなく、『見えているものの間の隠れた規則を見つける』訓練できる技術に近いものです。
規則を見つける力は、練習すればするほど伸びる能力です。最初はうまく見つけられなかった子どもも、似たタイプの問題に何度も触れるうちに規則に気づくスピードが目に見えて速くなります。これは、この力が生まれ持った才能よりも経験に大きく左右されることを意味します。
結果を点数やレッテルとして扱わないでください
このプリントを『IQテスト』のように扱い、何問正解したか数えたり等級をつけたりすると、子どもは問題を楽しむよりも、自分が『賢いかどうか』を確かめられる場だと感じ始めます。そうなると、難しい問題を前にすること自体を避けようとする態度が生まれかねません。
代わりに、正解・不正解よりも『どんな規則を考えたか』に会話の焦点を当てましょう。今日何問正解したかよりも、先週は色の規則しか見えていなかった子どもが今週は色と大きさを同時に見始めたかどうかの方が、はるかに意味のある成長の指標です。
間違いへの対応:正解を教える前にまず聞く
子どもが間違った答えを選んだとき、すぐに正解と理由を説明してしまうと、子どもは自分の規則を見直す機会を失います。代わりにまず『どんな規則で考えていた?』と聞いてみましょう。
この問いに答える過程で、子どもは自分の立てた規則が一部のマスには合っていても全体には合っていないことに自分で気づくことが多くあります。親が誤りを指摘するよりも、子ども自身が自分の論理を点検し修正する経験の方がずっと長く記憶に残ります。
年齢に合った難易度への進め方
就学前の子どもには、色や形のように一目で分かる一つの規則だけでできた問題が適しています。小学校低学年になると大きさと向きのように二つの規則が同時に変化する問題へ、高学年になると規則自体が段階的に変わる(例えば図形が1個ずつ増えていたのが急に2個ずつ増える)より複雑な問題へ進めます。
難易度を上げる基準は年齢よりも『一度にいくつの規則を同時に意識できるか』です。一つの規則の問題を余裕をもって解けるようになったら、急がずゆっくり二つの規則の問題へ進みましょう。
この力はその後の算数・理科の思考力につながります
規則を見つけて次に何が起こるかを予測する練習は、後に算数で数列の規則を見つけたり、理科で実験結果のパターンを読み取ったりする考え方にそのままつながります。マトリックス推論で行う『変わるものと変わらないものを見分ける』ことは、方程式を学ぶ土台とも重なります。
だからこそ、このプリントを一回限りの頭の体操ではなく、算数・理科の学習の土台を固める継続的な活動として捉えるとよいでしょう。ワークシートジョイのパターン推論プリントは規則の数と複雑さで段階が分かれているので、子どもの今のレベルに合わせて無理なく続けられます。