位取りがたし算の後ではなく前にくる理由
子どもは「23」が十のかたまり2つと1のバラ3個であることをまったく理解しないまま、指で数えながら一桁のたし算を正しく解くことができます。この差は繰り上がりが登場するまでは表に出ず、そのときになって初めて、ぐらつきではなく壁として現れます。
この概念がない子どもが7+5に出会うとどうなるか見てみましょう。答えを「412」と書く子がいます。7と5を足して12が出たら、順番など気にせずそのまま数字を並べてしまうのです。この子にとって数字は一の位と十の位を持つ構造ではなく、ただの数字の並びだからです。「1」も「2」も何かを表しているわけではなく、計算の結果として出てきただけのものです。
子どもが23+5は解けるのに27+5で固まってしまうなら、それはたいてい繰り上がりの問題ではなく位取りの穴です。「2」と「3」をまだ別々の、大きさの違う量として見ていないのです。一方がもう一方の10倍であると気づくまでは、繰り上がりはいつまでも上から与えられた理由のないルールのように感じられてしまいます。
その間違いが教えてくれること
親が不注意だと勘違いしがちですが、実は診断になる特定の間違いがあります。子どもに8+6を解かせてみましょう。「14」と書けば上出来です。しかし「14」と書いたのに、少し後でどちらの数字が「十」でどちらが「四」かを説明できないなら、その子は答えが何でできているかを理解しないまま、答えだけを覚えているのです。
注意すべきサインをいくつか挙げます。十五を「51」と逆に書く、繰り上げた数字を間違った桁に足す、「1を繰り上げる」というセリフは言えても実際に何を繰り上げているのか説明できない。これらはどれも不注意の証拠ではありません。すべて同じ穴が違う姿で現れているだけです。
こうした様子が見られたら、たし算の問題をもっと解かせるのはやめましょう。崩れた土台の上で練習を重ねても、間違いがより自動化されるだけです。ものを使う段階に戻りましょう。
記号の前にものを使って教える
アイスの棒10本を輪ゴムでまとめて「十が1つ」と呼びましょう。バラの棒は「一」です。23を作るのは十のかたまり2つとバラの棒3本になります。暗記すべき抽象的なルールではなく、子どもが見て触れる物理的な事実になります。
ここで使える言葉があります。「23を手で見せて」。「23って何?」ではなく「見せて」と聞くことで、子どもは実際にその量を作らなければなりません。迷わず十のかたまり2つとバラの棒3本に手を伸ばせば理解できています。棒を23本、1本ずつ数え始めるなら、まだできていないということで、それは失敗ではなく有用な情報です。
子どもがこのやり方でいくつもの数を実際に作れるようになってから、位取り表や筆算の桁の見出しに進みましょう。書いた形は子どもがすでに理解していることを表すものであるべきで、まったく新しいものを導入するものであってはなりません。
もう一つの方法:両替ゲーム
位取りブロックでもよいですが、家にある乾燥豆や小さな紙コップでも十分です。バラの豆(一)と、ちょうど10個入るカップを子どもに渡します。サイコロを振った分だけ豆を積み、10個たまるたびにその豆をカップ1個と交換します。
棒を束ねるのと同じ考え方ですが、「交換する」という動作が重要です。これにより「まとめ直し」が先生がプリントに印をつける概念ではなく、子ども自身が始めるゲームの一手になります。週に数回、2〜3週間続けると、ほとんどの子は棒がなくても大丈夫になります。豆をカップと交換する経験が、十とは実際何なのかという頭の中のモデルになるのです。
繰り上がりを位取りと具体的につなげる
問題を解いている途中でバラの棒が10本たまったら、実際にそれをまとめて新しい「十」にし、十の位のほうへ動かしましょう。こうすることで、「1を繰り上げる」が謎めいたルールではなく、子どもが自分の手でやったことになります。
十の位の上に小さな「1」を書く前に、ものを使ってこれをいくつもの問題で繰り返しましょう。書き言葉の省略形は、その裏にある物理的な動作になじんでから初めて意味を持ちます。ほとんどの子は一度ではなく、1〜2週間かけて8回から10回ほど繰り返す必要があります。
子どもが本当に理解したサイン
2桁の数を2通り以上に分解させてみましょう。23を十2個と一3個にも、十1個と一13個にも。手順だけを暗記した子どもはここで苦労しますが、位取りを理解した子どもはこれを簡単にこなします。
もう一つ良い確認方法は、数の大きさにとって十の位と一の位のどちらがより重要か、そしてなぜかを尋ねることです。ただの当てずっぽうではなく、自信を持った筋の通った答えが、本当に次に進んでよいというサインです。理由を言えずただ当てずっぽうを言っているなら、それは不注意ではなく位取りの穴です。間違った対策を追いかけないためにも、この違いは声に出して区別しておく価値があります。
3桁以上に進む
2桁の位取りが安定したら、百は単に「十のかたまりが10個」というだけです。新しい概念ではなく、同じまとめる考え方をもう一段階繰り返しているだけです。
2桁の問題が「簡単そう」だからとこの段階を急ぎたくなる気持ちを抑えましょう。ぐらついた位取りの基礎は、たし算のプリントがもう難しく感じなくなってからずっと後、3年生や4年生の算数で子どもが壁にぶつかる最も多い原因の一つです。この段階に本当に進む準備ができている子は、たいてい90の中に十がいくつあるか、迷わずすぐに答えられます。十ずつ数え上げないと答えられないなら、進むのはもう数週間待ちましょう。